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2008年10月 6日 (月)

宮崎か国政か、自民のラブコールに揺れる東国原英夫

「ブームは未来永劫続くものではない」。東国原英夫は先日の宮崎県議会で、そう語った。

知事就任以来続けてきた特産品のトップセールスやメディアへの出演について、将来、必ず限界が訪れるということだろう。

お笑いタレントという人気稼業で何度も挫折を繰り返しただけに、テレビというメディアの効能と冷酷さを知り尽くしている。

「そのまんま東」から「東国原英夫」への鮮やかな変身が、思いのほか人の心をつかんだ。妻に去られた哀れな男が、中年からの学問の成果を引っさげて地方政界にデビューし、知事として熱烈な県民の支持を得た。

この成功物語に多くの人が拍手を送ったのも当然だが、東国原が「宮崎のセールス」活動以外に、県政に何をもたらしたかとなると、よくは知られていないのではないか。

県議会で、無所属の議員が「ブームの中で、財政は悪化し将来への戦略が見えない。知事はマニフェスト達成度を“概ね順調”というが、私だったらもっと厳しく評価する」と指摘したのに対し、東国原が発した言葉は険しいものだった。

「私だったら、と言うならば、そういう立場におなりになったらどうですか」

一瞬、議場が凍りついた。「知事になれない者が偉そうに言うな」という意味に受け取った議員も多かったかもしれない。宮崎を全国に売り込むため孤軍奮闘している知事の一時的な苛立ちに過ぎないと思った人もいるだろう。

人のサガとはいえ、卓抜した能力ある人が謙遜を保つのは難しい。

議長が「議会の品位を落とすような発言を控えるように」と注意し、知事も謝ったために、大事には至らなかったが、危険な兆候には違いない。

この出来事があって約1週間後に東国原の運命を変えるかもしれない電話が東京からあった。宮崎1区から衆院選に立候補しないかという話だった。

毎週末になると上京していた東国原がかねてから国政に強い関心を持っていたことはテレビでの言動で多くの国民が感じていたことだろう。失言問題による中山前国交相の突然の引退で訪れた千載一遇のチャンスに彼の心は揺れ動いた。

党選対副委員長、菅義偉のような実力者に、「自民党から立候補していただければ、こんなに心強い候補者はいない」と持ち上げられたら、心が動くのも人情だ。

東国原は「現時点では考えていない」と常套句で内心を包んでいるが、「県民の声があるなら考える」とも語って、国政への意欲をのぞかせている。

問題はこれまで熱烈に応援してくれた宮崎県民がどう感じるかだ。焦って判断を誤ると、県民の反発を招き元も子もなくなる恐れもある。

5日の西日本新聞に、東国原出馬を心配する数人の県民の声が紹介された。

「宮崎的に痛い。せっかく宮崎が活性化しつつあるのに」 「知事になったのは、国政に出るためのステップだったのかと受け止められる。ここは踏みとどまるべきだ」 「もし出馬したら県政が大きく混乱する。宮崎県民も、捨てられたと思うのでは」

いずれも「さもありなん」と思わせる意見である。県民の東国原への期待が痛いほど伝わってくる。

しかし、政治を志す者は、叶うなら一度は国会にチャレンジしたい夢があるのではないか。東国原も例外ではないだろう。故郷・宮崎への想いはあっても、それはそれだ。

彼にとってここは思案のしどころである。チャンスは危険と背中合わせだ。「宮崎の東国原」であればこその人気かもしれない。国政では、自民党のモサたちのなかに埋没してしまうことはないだろうか。先輩たちを差し置いてテレビにどんどん出られるだろうか。

宮崎ブームを生んだことは功績である。知事がいなくても宮崎の特産品等の情報発信ができるよう観光交流推進局に「アピール課」をつくった試みも評価できる。

ただ、それが持続可能性のある仕組みに昇華されているかというと甚だ疑問だ。現実には東国原知事の存在がなければどうにもならないだろう。

まだ知事に就任して2年にもならないのである。少なくとも4年の任期は全うしてほしいと県民は願うのではないか。「ブームは未来永劫続くものではない」としっかり認識している知事が、地に足をつけて県政を進めていく考えがないとは思えない。

むろん「ブームの続いているうちに国政へ」とはやる心を抑えるのは並大抵ではないことくらい、承知のうえだ。かつて参院議員から大阪府知事になり、逆に“お山の大将”になってセクハラ行為で自滅したタレント政治家がいたことを考えると、国会で鍛えられるのも東国原にとってはあながち悪いとはいえない。

それでもなお、ここは宮崎にこだわってほしい。国政へのチャンスを逃したくない気持ちはよく分かるが、宮崎のために徹底して尽くしきることが、自己アピールに精を出さずとも真に尊敬される政治家になる道かもしれない。国政への進出はそれからで十分だろう。 (敬称略)

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コメント

東国原が調子にのってしまうかどうか興味深いですが、ここは、国政へ出たい意思があると言っておいて、でも、今は宮崎県への責任を果たしたいというのが正解でしょうね。

国民、県民の信頼を裏切らない姿勢を通しておけば、必ずもっと大きなチャンスが巡ってくると思います。ここで県政を放り出して、国政へ出たとたん、いろいろな横槍が入ってくるような気がします。happy01

結局出馬しないそうですが、1期も勤めないまま、今回、出馬への意欲を見せたことは、大きな失点です。「どげんかせんといかん」と言って当選したのが、2年ほどでの放り出し希望ですから。
報道では、宮崎県民もそのような判断が多いようです。この失点をリカバリーするのは、なかなか大変でしょう。
最近はかげりがでていた人気が、この一件で、さらに下降の加速度を増すかもしれません。そして、人気が政治的立場を補完している知事ですから、この一件で立場も厳しくなると私は考えます。

 創価学会党=公明党と手を組む自民党から出馬しようと思うなど、私には信じられないことです。

 TVの前で心の揺れを見せるだけで、宮崎県民に対して失礼だと思わないのでしょうか?彼の先見の明の無さと県民に対する思いやりの無さにやはり・・・・・と・・・。

 一度は不出馬としかとれない発言をしながら、出馬要請をする陳情団体を報道させたりして、出馬意欲満々です。
 同じ政治家といっても、知事のような「行政のトップ」と銀という「立法府のメンバー」は本質的な価値が異なります。東国原氏が、議員を志すのであれば、その点を明白にすべきだと、私は考えます。今は亡き知事選挙の対立候補は草葉の陰でどのように思っているのでしょうか。そして、選挙で付託された任期を全うしようとする姿勢が乏しいことが、東国原氏の最大の欠点でしょう。
 もし、出馬すればですが、宮崎県民、特に出馬を予定している宮崎1区の有権者の判断は、どうなるのでしょうか。楽しみです。

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